延滞税なしの納税猶予制度

 

 

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置に関する法律案が4月27日に国会に提出されました。

早ければ令和2年度補正予算案と同様に4月30日に成立する予定です。

 

その中で納税猶予の制度を確認してみます

原則の税の納付期限は法人税・消費税であれば事業年度終了から2カ月以内となっています。

 

現行制度では大幅な赤字が発生した場合などで納付が困難な時は、税務署に申請し原則として担保を提供することで納税が猶予されます。また延滞税も発生し年1.6%かかります。

 

しかし今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年2月以降収入が減少し納付が困難になった場合には、すべての事業者について無担保かつ延滞税なしで1年間納税が猶予されます。

 

収入の減少割合は前年同期比概ね20%以上減少とされております。法人税や消費税、固定資産税など基本的にすべての税が対象となります。

 

 

 

 

新型コロナに関連する税務上の取扱い

 

国税庁より新型コロナに関連する次の項目が追加されております。(4月13日更新分)

確定申告の期限の個別延長に関するものや業績悪化に伴う役員給与の減額の取扱いについても公表されました。今回は申告期限について取り上げてみました。個人の申告の他、法人の申告についても個別延長が認められました。

 

  1. 申告・納付等の期限の個別延長関係

①申告所得税・贈与税及び個人事業者の消費税の確定申告期限の柔軟な取扱い

新型コロナウイルス感染症の拡大状況に鑑み、感染拡大によって外出を控えるなど令和2年4月16日(木)の期限までに申告することが困難であった方については、期限を区切らずに、同年4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告書を受け付けることとしています。

また、申告期限の延長に関する個別の申請は、別途、申請書を作成して提出する必要はなく、申告書を提出いただく際に、その余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」といった文言を付記するか、電子申告の場合は所定の欄にその旨を入力するなど簡易な手続で申請を行うことができます。

 

 

②法人の期限の個別延長について

法人についても、新型コロナウイルス感染症の各地での感染の拡大状況を踏まえ、個人の取扱いと同様に、柔軟に確定申告を受け付けることとしています。法人の場合には、役員や従業員が新型コロナウイルス感染症に感染したケースだけでなく、在宅勤務をしていることや外出を控えていることにより通常の業務体制が維持できないことや、事業活動を縮小せざるを得ないこと、取引先や関係会社においても感染症による影響が生じていることなどにより決算作業が間に合わず、期限までに申告が困難なケースなども考えられます。

 

 

 

緊急融資制度の仕組み

今回の緊急融資制度は大きく分けて保証協会の審査と日本政策金融公庫の審査・融資に分けられます。

1.保証協会による100%保証融資
●セーフティネット保証4号
●融資条件
a.前年と比較して20%以上売上高が減少
b.保証協会に対して過去に事故歴がない
c.保証協会に対して代位弁済していない
d.返済条件変更(リスケ)をしていない
d.税の滞納がない
●まずは取引銀行に打診をすること

2.保証協会による80%保証融資
●セーフティネット保証5号
●最近3ヶ月間の売上高等が前年同期比5%以上減少
●製品等原価のうち20%以上を占める仕入価格が20%以上上昇して
いるにもかかわらず製品価格に転嫁できない

3.日本政策金融公庫(新型コロナウイルス感染症特別貸付)
●最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少
している

4.危機関連保証
●最近1ヶ月間の売上が前年同月比で15%以上減少していて、かつ、
その後2ヶ月間を含む3ヶ月の売上が前年同期比で15%以上減少する
ことが見込まれる
●保証割合100%

 

今回の新型コロナウイルスがいつ終息するのか見えない中、また将来何が起こるかわからない状況では、とりあえず借りる、そして使わなかったら返すというスタンスで今回は対応していくべきだと考えております。