くるみん・えるぼし認定とは

 

前回の賃上げ促進税制の際にくるみん・えるぼし認定を取得することにより控除率が5%上乗せされることをご紹介いたしました。しかし、中にはくるみん・えるぼし認定なんて初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。そこで今回はくるみん・えるぼし認定について簡単にご説明いたします。

 

〈くるみん・えるぼし認定とは〉

・くるみん認定

くるみん認定とは、仕事と家庭の両立を支援するための行動計画を策定し、届出を行った企業のうち、行動計画に定めた目標を達成する等の認定基準を満たした企業を、「子育てサポート企業」として、次世代育成支援対策推進法に基づき厚生労働大臣が認定する制度です。大きく分けて「トライくるみん」、「くるみん認定」、「プラチナくるみん認定」の三種類の認定があり、不妊治療と仕事の両立をしやすい職場環境の整備に取り組む企業に関しては「プラス認定」という認定を受けることができ「トライくるみんプラス」、「くるみんプラス」、「プラチナくるみんプラス」に認定されることになります。

・えるぼし認定

えるぼし認定とは、女性の活躍の推進のための行動計画を策定し、届け出を行った企業のうち、自社の女性の活躍推進に関する取組の実施状況等の認定基準を満たした企業を、「女性の活躍推進企業」として、女性活躍推進法に基づき厚生労働大臣が認定する制度です。えるぼし認定には4段階の段階がありそれぞれ「えるぼし認定1段階目」、「えるぼし認定2段階目」、「えるぼし認定3段階目」、「プラチナえるぼし認定」と表現されます。

 

〈くるみん・えるぼし認定のメリット〉

くるみん・えるぼし認定には様々なメリットがあるのですがここでは代表的なものを挙げていきます。

・低金利の融資

くるみん認定、えるぼし認定を取得した企業は日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援金」を特別利率にて借入することができます。

・助成金を獲得できる

くるみん認定を取得した企業を対象に「くるみん助成金」という助成金が用意されています。また、「両立支援等助成金」では要件を満たすことで15万円の加算や支給率の割り増し、最大支給額の引上げを受けることができます。

・税金の控除

くるみん認定、えるぼし認定を取得することにより賃上げ促進税制にて控除率の5%上乗せを受けることができます。

・企業イメージの改善

くるみん認定、えるぼし認定を取得することにより子育て世代や女性の働き方改革に積極的に取り組んでいることを示すことができ、新規人材獲得や業種・企業イメージの改善につなげることができます。

くるみん認定・えるぼし認定に関するさらに詳しい説明や認定基準に関しては下記WEBサイトをご覧ください。

厚生労働省 宮崎労働局

https://jsite.mhlw.go.jp/miyazakiroudoukyoku/roudoukyoku/_120352/_120581/_120743.html

 

2024年度住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の変更点について 

今年もまもなく年末調整の時期になりました。すでに各種控除証明書を職場に提出された方も多いのではないでしょうか。令和6年度税制改正において、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に変更が加わりましたので今回は住宅ローン控除の基本と変更点に関してご説明していきたいと思います。

 

〈住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは?〉

住宅借入金等特別控除とは、返済期間10年以上の住宅ローンがある場合に一定条件を満たすと、入居した年から最長で13年間、年末時点での住宅ローン残高の0.7%分を所得税・住民税から控除できる制度です。

 

〈住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けるための用件〉

住宅借入金等特別控除の用件は住宅の種類によって異なります。今回はおそらく購入される方が多いと思われる新築住宅の用件をご紹介いたします。

① 住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。

➁ この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること。

③ 住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を居住のために使用しており、この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。または住宅の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を居住のために使用しており、この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、1,000万円以下であること。

④ 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務があること。

⑤ 2つ以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。

⑥ 居住年およびその前2年の計3年間に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。

(1) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例

(2) 居住用財産の譲渡所得の特別控除

(3) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例

(4) 財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例

(5) 既存市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換  え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例

⑦ 居住年の翌年以後3年以内(令和2年3月31日以前の譲渡の場合は、居住年の翌年以後2年以内)に居住した住宅(住宅の敷地を含みます。)以外の一定の資産を譲渡し、当該譲渡について上記(1)~(5)に掲げる譲渡所得の課税の特例を受けていないこと。

⑧ 住宅の取得は、その取得時および取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと。

⑨ 贈与による住宅の取得でないこと。

 

 

〈令和6年度税制改正による変更点〉

住宅借入金等特別控除の主な改正点は下記の3つです。

① 省エネ基準を満たさない新築・買取再販住宅は控除対象外になる。

※2023年中に建築確認を受けている場合、または2024年6月30日までに工事が完了した場合は借入限度額2,000万円・控除期間10年間の住宅ローン控除が適用することができます。

➁ 新築・買取再販の借入限度額の引下げ

・長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円⇒4,500万円

・ZEH水準省エネ住宅    4,500万円⇒3,500万円

・省エネ基準適合住宅    4,000万円⇒3,000万円

・その他の住宅       3,000万円⇒   0円(上記①)

③ 子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額の縮小見送り

19歳未満の子どもがいる子育て世帯、夫婦のうちいずれかが40歳未満の若者夫婦世帯は省エネ基準を満たす新築・買取再販住宅であれば変更前の限度額にて住宅借入金等特別控除を受けることができます。

その他細かい変更点や要件等に関しては国税庁ホームページをご覧ください。

国税庁 ホームページ

(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/code/bunya-tochi-tatemono.htm