令和3年度税制改正により、「経営力向上計画」に基づいてM&Aを実施した場
合、次の3つの税制措置が活用できるようになりました。
①設備投資減税(中小企業経営強化税制)
②雇用確保を促す税制(所得拡大促進税制)
上記2つは従前から同様の制度がありますが、これらに加えて、インパクトが大
きい制度が創設されました。
③準備金の積立(中小企業事業再編投資損失準備金)
株式取得によりM&Aを実施する場合、当該株式の取得価額の70%相当額を準備
金として積み立て、その金額を損金の額に算入できます。
積み立てた準備金は、5年間据え置いた後、5年間で取り崩し益金算入されま
す。
減損や株式の売却時にも、準備金を取り崩します。
適用を受けるためには「経営力向上計画」の申請が必要です。
また、事業承継等事前調査(DD)を行わなければなりません。
※DD(デュー・デリジェンス):M&Aの買手側が売手側に対して、財務・法
務・税務等の状況を詳細に調査すること
この制度を活用することで、手元に一定額の資金を確保できることになり、簿外
債務等のリスクに備えることができます。