定額減税調整給付金について

 

 

6月から始まった定額減税、6~7月の給与や夏季賞与によりなんとなく制度を理解できてきた頃かと思われます。しかし、中には毎月の定額減税を受けているのにも関わらず突然「定額減税補足給付金(調整給付)のお知らせ」が届き、混乱されている方もいらっしゃるではないでしょうか。そのため今回は定額減税補足給付金(調整給付)について簡単にご説明していきたいと思います。

 

〈定額減税補足給付金(調整給付)とは〉

まず初めに、今回の定額減税は現金が支給されるわけではなく、毎月の源泉所得税を減らすことにより手取り額を増やすというものでした。毎月の源泉所得税の金額が多い方であれば何の問題もなく手取り額が30,000円増えるのですが、源泉所得税の金額が少ない方に関しては年末調整まで待って税額が確定した後に不足分が支給されることになります。しかしそれでは定額減税の恩恵を受けるまでに時間がかかり物価高騰の対策でもある定額減税の意味が薄れてしまう。そのため前年の所得額などから明らかに減税しきれないと判断できる方については今すぐにでも現金を支給することにより素早く定額減税を実行しようという目的で行われたのが定額減税補足給付金(調整給付)です。

 

〈定額減税補足給付金(調整給付)の支給額〉

・所得税

所得税の定額減税補足給付金(調整給付)の支給額は行政により算出された令和6年分推計所得税額と定額減税可能額との差額が支給されることになります。

(例)本人分のみ、推計所得税額24,000円の場合

定額減税可能額 30,000円 - 推計所得税額 24,000円 =6,000円

調整給付は1万円単位で行われるため支給額は1万円となります。

・住民税

住民税の定額減税補足給付金(調整給付)の支給額は令和6年分住民税所得割額と定額減税可能額との差額が支給されることになります。

 

〈支給額が過大になったり不足した場合の対応〉

所得税の定額減税補足給付金(調整給付)の支給額はあくまで令和5年分の所得を基にした推計金額により決定されているため令和6年度分の所得が確定した際に支給金額が過大であった、または過少であったという事態が発生すると考えられます。

・過大であった場合

調整給付金の額が過大になった場合は、返還の必要はありません。

・過少であった場合

令和7年度にその不足分の給付を行う予定とのことです。

定額減税補足給付金(調整給付)に関する詳しいご説明やご自身が対象者かどうかなどの確認に関しては各市町村のお問い合わせ窓口にお問い合わせください。

 

 

交際費等の損金不算入制度の見直しについて

 

令和6年度税制改正により交際費の損金算入制度の見直しが行われ、本年度4月1日支出分より適応されました。

 

今回は主にどういった変更点があったのか、そもそも交際費の損金算入とはなんなのか簡単にご紹介していきたいと思います。

 

〈そもそも交際費の損金算入ってなに?〉

皆さん意外に思われるかもしれませんが原則として法人の支出した交際費は損金(法人税を計算する際に利益の減少項目として認められるもの)となりません。しかし、現在は資本金ごとに下記の特例制度を利用することで一部を損金として扱うことができております。

 

・資本金又は出資金が1億円以下の法人

① 800万円までの交際費等の全額損金算入

②接待飲食費の50%の損金算入

①、②どちらかの選択適用

・資本金又は出資金が1億円超の法人

①接待飲食費の50%の損金算入

また、社外の人との飲食等で1人当たり5,000円以下(令和6年度税制改正により10,000円へ引き上げ)の飲食費は交際費等の範囲から除くことができます。

 

〈令和6年度税制改正による主な変更点〉

・上記特例処理の3年間の延長

上記の特例制度は本来2024年3月31日までに開始する事業年度で終了する予定でしたが今回の税制改正により、2027年3月31日までに開始する事業年度まで適用できることとなりました。

 

・交際費等から除外される飲食費の上限金額の引き上げ

従来の制度では1人当たり5,000円以下の飲食費は交際費から除くこととなっておりましたが今回の税制改正により、上限額が1人あたり10,000円に引き上げられました。

 

その他税制改正の詳しい内容につきましては令和6年度税制改正大綱、国税庁ホームページをご覧ください。

 

 

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予定納税と定額減税

 

まもなく7月も終わり、個人事業主の方々は予定納税の納付が開始されます。今年度の予定納税は定額減税の影響で納付金額、納期限ともに通年とは異なりますのでご注意ください。

 

予定納税とは?

予定納税とは、前年の所得税等の申告納税額が15万円以上であった方について、その方が一時に税金を納付した場合の負担感を緩和することや、国の歳入を平準化する目的から、その年の所得税および復興特別所得税の一部をあらかじめ納付しなければならないとされている制度です。翌年の確定申告において、確定申告書で計算した税額から予定納税額を差し引くことで、税額の過不足分を精算することになります。

 

納付金額の変更点

原則としては前年の申告納税額がそのまま予定納税基準額となり、予定納税基準額の3分の1の金額を第1期、第2期にそれぞれ納付することになります。

しかし令和6年度の予定納税では定額減税が適用されるため第1期分予定納税額(7月)から本人分の定額減税額(30,000円)を控除します。
また、控除しきれない分は第2期分予定納税額から控除し、それでも控除しきれない場合は確定申告で精算します。

扶養親族等の分は予定納税額の減額申請を行うことで、第1期分予定納税額から控除できますが確定申告で控除する方が無難でしょう。

 

納付期限の変更点

●第1期分は令和6年7月1日から同年9月30日まで

●第2期分は令和6年11月1日から同年12月2日まで

扶養親族分の定額減税を第一期分の予定納税で適用する際には予定納税の減額申請を行う必要があるのですがその配慮のためか今年度の減額申請の提出期限は7月31日に延長されております、そのため納付期限も従来の7月末から2か月延長されております。

 

 

各種キャッシュレス納付方法のご紹介

 

国税庁は、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」の実現に向けて、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでおり、令和6年5月以降に送付する分から、e-Taxにより申告書を提出している法人の方などについて、納付書の事前の送付を取りやめることとしております。そのため、「従来は納付書で納付していたが今後はどのように納付していこうか迷っている」、「これを機に今後はキャッシュレス納付を行っていきたい」といった方々も多いかと思われます。そこで今回は各種キャッシュレス納付方法をご紹介していきます。

① ダイレクト納付

事前に利用開始手続きを行うことでe-Taxにより申告書等を提出した後、預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより国税を電子納付する手続です。

〈利用可能税目〉

すべての税目

〈利用可能上限金額〉

金融機関による

〈手数料〉

不要

〈準備・手続き〉

必要

② 振替納税

e-Taxにより依頼書を提出するか、税務署又は希望する預貯金口座の金融機関へ専用の依頼書を提出して預貯金口座からの口座引落しにより、国税を納付する手続です。また、口座振替日は各種税金により決まっております。

〈利用可能税目〉

申告所得税及び復興特別所得税
・期限内に申告された確定申告(3期)分及び延納分
・予定納税(1期、2期)分

消費税及び地方消費税(個人事業者)
・期限内に申告された確定申告分及び中間申告分

〈利用可能上限金額〉

制限なし

〈手数料〉

不要

〈準備・手続き〉

必要

③ インターネットバンキングによる納付

事前にe-Taxの利用開始手続きを行うことでインターネットバンキングやATM等により国税を電子納付する手続です。

〈利用可能税目〉

すべての税目

〈利用可能上限金額〉

金融機関による

〈手数料〉

不要(インターネットバンキングの利用手数料がかかる場合がございます。)

〈準備・手続き〉

必要

④クレジットカード納付

インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続です。

〈利用可能税目〉

すべての税目

〈利用可能上限金額〉

1,000万円未満、かつ、ご利用になるクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)

〈手数料〉

納付税額に応じて手数料あり

〈準備・手続き〉

不要

⑤スマホアプリ納付

国税庁長官が指定した納付受託者(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)が運営するスマートフォン決済専用のWebサイト(国税スマートフォン決済専用サイト)から、納税者が利用可能なPay払いを選択し、納付受託者に納付を委託することにより国税を納付する手続です。

〈利用可能税目〉

すべての税目

〈利用可能上限金額〉

30万円以下

〈手数料〉

不要

〈準備・手続き〉

不要

各種納付方法に関する詳しいご説明やお手続きに関しては下記国税庁ホームページをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/02/2_04.htm

 

 

6月実施の定額減税に向けての準備

 

いよいよ来月からデフレ脱却のための一時的措置として定額減税の実施が始まります。定額減税の時期が近づいてきているがいまいち理解できておらずお困りの方も多いかと思われます。そこで今回は定額減税を円滑に行うためにどういった確認が必要なのかご紹介していきたいと思います。

 

〈①対象者の確認〉

今回の定額減税の対象者となる方は下記の条件を満たしている方となります。

  1. 国内に住所を有する個人または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
  2. 合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は年収2,000万円以下)であること                                 ※子どもや特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける場合は2,015万円以下                             ※所得税は令和6年分、個人住民税は令和5年分の合計所得金額をもとに
    定額減税対象を判定

また、下記条件に当てはまる方は上記条件を満たしていても対象外となりますのでご注意ください。

  1. 源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される人(扶養控除等申告書を提出していない人)
  2. 令和6年6月2日以降に入社する人
  3. 令和6年5月31日以前に退職する人
  4. 令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった人                        

 

〈②同一生計配偶者の確認〉

控除対象者と生計を一にする配偶者のうち、合計所得が48万円以下の人が、月次減税額の計算の対象となります。6月支給に間に合うよう対象となる従業員には事前に確認を取っておきましょう。

 

〈③扶養親族の確認〉

今回の定額減税での扶養親族では所得税法上の控除対象扶養親族だけでなく、令和6年度の年収が103万円以下であれば、16歳未満の扶養親族も対象となります。こちらも対象となる従業員に確認を取っておきましょう。

「令和6年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載していない同一生計配偶者や扶養親族について、令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与(賞与を含みます。)の源泉徴収から、定額減税額の計算に含める場合には勤務先に「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を提出する必要があるのでご注意ください。

その他詳しい説明に関しては「国税庁 定額減税特設ページ」をご覧ください。(https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm

 

中小企業・小規模事業者向け補助金のまとめ

 

確定申告や決算月を終え、新規事業年度から何か新しいことに挑戦したい、既存の事業をさらに効率化したいといった考えの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は中小企業・小規模事業者様向けの代表的な補助金について簡単にまとめていきたいと思います。

①小規模事業者持続化補助金 

〈目的〉 

 小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としている補助金です。

②ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

〈目的〉

 中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援することを目的としている補助金です。

③事業承継・引継ぎ補助金

〈目的〉

 事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助するとともに、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継、事業再編・事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的としている補助金です。

④IT導入補助金 

〈目的〉

 中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的としている補助金です。

⑤事業再構築補助金 

〈目的〉

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としている補助金です。

各種補助金の詳しい説明や要件、募集状況等については下記ポータルサイトをご覧ください。

【①小規模事業者持続化補助金】

https://s23.jizokukahojokin.info/

【②ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金】

https://portal.monodukuri-hojo.jp/

【③事業承継・引継ぎ補助金】

https://jsh.go.jp/

【④IT導入補助金】  

https://it-shien.smrj.go.jp/

【⑤事業再構築補助金】   

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

 

 

令和6年4月1日からの労災保険率変更点

 

令和6年4月1日より労災保険の新しい保険率が適用されます。

そこで今回は労災保険率と特別加入保険料率の変更点をまとめてご紹介したいと思います。

 

〈労災保険率の変更点〉

54業種のうち、17業種が引下げとなり、3業種が引上げとなります。全体の平均では4.5/1000から4.4/1000となり、1000分の0.1の引下げとなります。

・保険率の引き上げが行われる業種

①パルプ又は紙製造業 6.5/1000→ 7/1000

②電気機械器具製造業 2.5/1000→3/1000

③ビルメンテナンス業 5.5/1000→6/1000

・保険率の引き下げが行われる業種

①林業               60/1000→ 52/1000

②定置網漁業又は海面魚類養殖業   38/1000→ 37/1000

③石灰石鉱業又はドロマイト鉱業   16/1000→ 13/1000

④採石業              49/1000→ 37/1000

⑤水力発電施設、ずい道等新設事業  62/1000→ 34/1000

⑥機械装置の組立て又は据付けの事業 6.5/1000→ 6/1000

⑦食料品製造業           6/1000→ 5.5/1000

⑧木材又は木製品製造業       14/1000→ 13/1000

⑨陶磁器製品製造業         18/1000→ 17/1000

⑩その他の窯業又は土石製品製造業  26/1000→ 23/1000

⑪金属材料品製造業         5.5/1000→ 5/1000

⑫金属製品製造業又は金属加工業    10/1000→ 9/1000

⑬めっき業             7/1000→ 6.5/1000

⑭その他の製造業          6.5/1000→ 6/1000

⑮貨物取扱事業           9/1000→ 8.5/1000

⑯港湾荷役業            13/1000→ 12/1000

⑰船舶所有者の事業         47/1000→ 42/1000

〈特別加入保険料率の変更点〉

25区分のうち、下記の5区分が引下げとなります。

・保険率の引き下げが行われる区分

①個人タクシー、個人貨物運送業者、原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業          12/1000→ 11/1000

②建設業の一人親方       18/1000→ 17/1000

③医薬品の配置販売業者      7/1000→ 6/1000

④金属等の加工、洋食器加工作業 15/1000→ 14/1000

⑤履物等の加工の作業       6/1000→ 5/1000

 

 

確定申告期限後に申告の誤りに気付いた場合

 

確定申告の時期がおわり税額や還付金額の把握等1年間の総まとめが落ち着いてきたころだと思われます。ですが中には税金を多く払いすぎてしまった、利益の計上漏れが見つかったなど確定申告の誤りに気づいた方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。そこで今回はもし確定申告期限後に誤りに気づいてしまった場合どういったことをすればいいのか、またどういった罰則があるのかを簡単に説明していきたいとおもいます。

税金を多く納めていた場合
 税金を多く納めていた際には更正の請求を行うことにより納めすぎた税金の還付を受けることができます。
更正の請求ができる期間は、法定申告期限(所得税の確定申告の場合は3/15日、消費税の確定申告の場合は3/31日)から5年以内となっております。
税額を実際より少なく申告していたとき
確定申告書を提出した後で、利益の計上漏れ等により税額を少なく申告していたことに気付いたときは、修正申告行い、正しい税額を納める必要があります。
修正申告は、税務署から更正を受けるまではいつでもできますが、誤りに気づいた際はできるだけ早く申告してください。税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。
確定申告に誤りがあった際の罰則
 申告期限後に誤りがあった際の主な罰則は以下の3つです。
・延滞税
法定納期限の翌日から正しい税額を納税する日までの期間により利率が変わります。
納期限の翌日から2月を経過する日まで・・・・・・年2.4%
納期限の翌日から2月を経過した日以降・・・・・・年8.7%
 ・過少申告加算税
 新たに納めることになった税金の10パーセント相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15パーセントになります。
 ・重加算税
 重加算税とは、過少申告加算税などが課税される場合に、内容が仮装隠蔽であるなど悪質だった場合に、その過少申告加算税などに代えて課税される附帯税のことです。その税額は新たに納める税金の35%となっております。

暗号資産(仮想通貨)に係る税金について

 

いよいよ確定申告の受付が開始されました。実際に申告の準備を進めてみると税金を計算するうえで様々な疑問点が浮かんでくるかと思われます。

昨年は年末にかけてビットコインが大きな値上がりを見せ、仮想通貨市場が盛り上がりました。そのため仮想通貨で利益が出たが課税されるのかどうか、どういった計算で税額が算出されるのかお悩みの方も多いかと思われます。

そこで今回は仮想通貨に係る税金について説明していきたいと思います。

 

〈仮想通貨の利益はいくらから申告が必要?〉

暗号資産(仮想通貨)の売買によって生じた利益は雑所得に分類されます。そのため下記の場合には申告が必要となります。

・仮想通貨の売買により20万円を超える利益が出た場合

・仮想通貨の売買による利益とその他雑所得との合計の所得金額が20万円を超える場合

 

〈仮想通貨の所得発生のタイミング〉

仮想通貨は含み益が出ていたとしても売却等の決済を行わなければ課税されることはありません。具体的な課税所得が発生するのは下記の取引を行った場合です。

・暗号資産(仮想通貨)の売却時                        

 売却により発生した利益から手数料等を差し引いた金額が所得金額となります。

 

・暗号資産(仮想通貨)での決済時                      

 売却は行っていないが仮想通貨を用いて商品やサービスを購入した場合その行為は利益の確定とみなされます。商品等の価格から支払った仮想通貨取得時の金額を引いたものが所得金額となります。

 

・暗号資産(仮想通貨)で他の暗号資産(仮想通貨)を購入した時          仮想通貨を他の仮想通貨に交換することも持っていた仮想通貨を手放すことになるため利益の確定とみなされます。新しく手にした仮想通貨の取得時の価額から手放した仮想通貨の取得時の価額を引いたものが所得金額となります。

 

※仮想通貨の取得時の金額算定には移動平均法と総平均法の2種類のうちからどちらかを選択して計算を行います。

 

 

〈仮想通貨の税額の計算方法〉

仮想通貨による所得を雑所得として申告する場合、給与所得や事業所得など他の所得と合算して課税される総合課税になります。そのため仮想通貨により100万円の所得を得て、かつ給与所得が500万円ある場合は、両者を足した600万円から控除額などを差し引いた金額に所得税・住民税が課税されます。

 

 

 

所得税・個人住民税の定額減税について〈住民税編〉

 

昨年、政府は税収の税収増の還元、デフレからの完全脱却の政策としてとして所得税・住民税合わせて四万円を減税すると発表していました。                              令和6年度税制改正大網にてその要件や実施方法について説明がありましたのでご紹介させていただきます。今回は住民税編です。

具体的な減税額

〈個人住民税〉

・本人 1万円

・控除対象配偶者又は扶養親族(国外居住者を除く。) 1人につき1万円

(注)控除対象配偶者を除く同一生計配偶者(国外居住者を除く。)については、令和7年度分の所得割の額から、1万円を控除されます。

定額減税の実施方法

〈住民税〉

・給与所得者の場合

特別徴収義務者は、令和6年6月に給与の支払をする際は特別徴収を行わず、特別控除の額を控除した後の個人住民税の額の11分の1の額を令和6年7月から令和7年5月まで、それぞれの給与の支払をする際毎月徴収する。

 

・公的年金等の受給者の場合

令和6年10月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払を受ける公的年金等につき特別徴収をされるべき個人住民税の額(以下「各月分特別徴収税額」という。)から特別控除の額に相当する金額(当該金額が各月分特別徴収税額を超える場合には、当該各月分特別徴収税額に相当する金額)を控除する。控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後令和6年度中に特別徴収される各月分特別徴収税額から、順次控除する。

・普通徴収の場合(自営業や個人事業主、フリーランスの方)

令和6年度分の個人住民税に係る第1期分の納付額から特別控除の額に相当する金額(当該金額が第1期分の納付額を超える場合には、当該第1期分の納付額に相当する金額)を控除する。控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、第2期分以降の納付額から、順次控除する。

さらに詳しい要件や実施方法については令和6年度税制改正大網をご覧ください。

 

 

 

所得税・個人住民税の定額減税について〈所得税編〉

 

 

昨年、政府は税収の税収増の還元、デフレからの完全脱却の政策としてとして所得税・住民税合わせて四万円を減税すると発表していました。                              令和6年度税制改正大網にてその要件や実施方法について説明がありましたのでご紹介させていただきます。今回は所得税編です。

具体的な減税額

〈所得税〉

・本人 3万円

・同一生計配偶者又は扶養親族(居住者に該当する者に限る。以下「同一生計配偶者等」という。) 1人につき3万円

定額減税の実施方法

〈所得税〉

 

・給与所得者の場合

令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等につき源泉徴収をされるべき所得税の額から特別控除の額に相当する金額(当該金額が控除前源泉徴収税額を超える場合には、当該控除前源泉徴収税額に相当する金額)を控除する。控除しきれない部分の金額は、以後令和6年中に支払われる当該給与等に係る控除前源泉徴収税額から、順次控除する。

 

・公的年金等の受給者の場合

令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払を受ける公的年金等につき源泉徴収をされるべき所得税の額から特別控除の額に相当する金額(当該金額が控除前源泉徴収税額を超える場合には、当該控除前源泉徴収税額に相当する金額)を控除する。控除しきれない部分の金額は、以後令和6年中に支払われる当該公的年金等に係る控除前源泉徴収税額から、順次控除する。

 

・事業所得者等の場合

令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額を控除する。特別控除の額に相当する金額のうち、第1期分予定納税額から控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、第2期分予定納税額(11月)から控除する。

さらに詳しい要件や実施方法については令和6年度税制改正大網をご覧ください。

 

 

倒産防止共済の改正

 

1月11日、中小企業庁より「中小企業倒産防止共済制度の不適切な利用への対

応について」という資料が公表されました。

 

令和6年度税制改正では、倒産防止共済について解約後2年間は再加入して掛金

を支払っても損金不算入となる改正が行われる予定となっており、その背景が

記載されております。

 

資料によると、令和2年から4年における加入者全体に占める再加入者の割合が

約16%でそのうち2年未満が8割となっているようです。

 

資料では節税のみを目的として加入を勧めるYouTubeや書籍などが出回っている

点を問題視しております。

 

今後はこういったテクニック的な節税方法に関するものは、規制の対象となって

いくかもれません。

 

お問い合わせがございましたら名古屋にある医業・企業の税理士事務所の

岩水会計事務所までご連絡ください。

 

 

 

 

令和5年分所得税確定申告の変更点

 

令和5年分の申告からの主な変更点は以下の2点になります。

 

①総合課税の対象となる者の改正

上場株式等に係る配当所得について、必ず総合課税となる者(いわゆる大口

株主当)の定義が次のように変更されました。

 

改正前・・・発行済株式総数等の3%以上保有する個人

 

改正後・・・同族会社保有分と合算して発行済株式総数等の3%以上を保有する

個人

 

②国外居住親族に係る扶養控除

国外に住んでいる扶養控除の対象となる者の年齢が30歳以上70歳未満の場合に

 

制限が設けられました。

1. 留学している  2. 障碍者である  3.生活費として年38万円以上の

支払を受けている

これらの3つのうちいれかに該当する必要があります。

 

 

所得税の申告期限・・・令和6年3月15日

消費税の進行期限・・・令和6年4月1日

 

 

 

雇用保険の手続きで押印不要に!

 

2023年10月1日の改正ににより、雇用保険に関する届出で押印が不要となりまし

 

た。

 

押印不要となる届出は、以下のとおりになります。

 

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険事業主事業所各種変更届

・雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届

 

その他各種届出における訂正印も押印不要となっております。

 

 

労働局によっては、この押印廃止に伴い身分証の提示が求められる書類もあると

 

いうことです。

 

 

 

 

 

財産債務調書の改正

 

財産債務調書とは、一定の要件を該当する場合には、その年の12月31日現在

保有している財産及び債務の明細を、税務署に提出する必要があります。

この明細を「財産債務調書」といいます。

 

令和5年分以後の改正の概要

【1】提出義務者

次の①及び②を満たす方もしくは③に該当する方

①その年分の所得金額の合計額が2,000万円超の方

②その年12月31日現在、3億円以上の財産又は1億円以上の国外転出特例対象財産を有する方

③その年12月31日現在、10億円以上の財産を有する方(今回新しく追加)

 

【2】提出期限

翌年6月30日

 

 

これまでは確定申告不要もしくは所得金額の合計額が2,000万円以下であれば

財産債務調書の提出が不要でしたが、改正により、確定申告が不要でも、所得金

額の合計額が2,000万円以下であっても、総額10億円以上の財産を有している場

合には、財産債務調書の提出が必要になっております。

 

 

ご質問・お問い合わせがございましたら、名古屋にある医業・企業の税理士事務

所の岩水会計事務所までご連絡ください。

 

 

 

副業の確定申告ってどんな人が必要?

 

今年も残すところ1ヶ月をきり、多くの方々が年末調整を行ったかと思われます。

 

その年末調整を行っていくうえで本業以外の収入がある方の多くが疑問に思ったことがあると思います。

 

副業の確定申告ってしないといけないの?

そこで今回は副業の確定申告の必要性について紹介していきたいと思います。

 

 

《副業の確定申告が必要な人》

 

① 本業以外の給与所得がある場合

副業の給与収入が20万円をこえる場合に確定申告が必要です。また、副業として複数の会社から給与を得ている場合は、本業の給与以外の1年間の複数個所の給与収入合計額が20万円を超える場合に確定申告を行う必要があります。

※給与収入とは手取り額ではなく、税金等を引かれる前のいわゆる額面の金額となります。

※本業、副業全ての給与収入を合わせても103万円以下となる場合は確定申告の必要はありません。

 

➁ 給与以外の収入がある場合

年間の所得金額が20万円をこえる場合に確定申告が必要です。        給与以外の収入がある場合には売上から経費を差し引いた所得金額によって判断を行います。例えば1年間の売上が30万円であったとしても材料費や出店費用等で10万円以上の経費がかかった場合は確定申告の必要はありません。

 

③ 給与と給与以外の収入の両方がある場合

副業として給与収入と、給与以外の収入の両方がある場合は、給与収入とそれ以外の所得の合計が20万円を超える場合に確定申告が必要です。

 

 

《住民税に関する注意点》

上記の確定申告の必要があるかないかはあくまでも所得税に関してのことです。住民税には所得税のような特別措置がないため多少の収入であったとしても課税の対象となります。そのため本業以外の収入があった方で確定申告の必要がなかった場合でも住民税の申告は必要となりますのでご注意ください。

 

 

お問い合わせがございましたら名古屋にある医業・企業の税理士事務所の

岩水会計事務所までご連絡ください。

 

 

中小企業価格転嫁促進支援金のお知らせ

 

この度、名古屋市で「中小企業価格転嫁促進支援金」という新しい支援金制度ができましたのでご紹介させていただきます。

<中小企業価格転嫁促進支援金とは?>

この支援金制度はエネルギー価格や原材料費の高騰、労務費の上昇を受けているものの自社の商品やサービスに適切に価格転嫁できていない中小企業者に対し、取引先との価格交渉等の価格転嫁に向けた取り組みを促進するため創設された支援金制度です。

<支給金額>

支給金額は申請された方の直近決算期の売上(収入)高に応じて、以下の5つの区分に決められます。

①直近1期の売上(収入)高が5千万円以下                           1事業者当たり20,000円

➁直近1期の売上(収入)高が5千万円超1億円以下                         1事業者当たり40,000円

③直近1期の売上(収入)高が1億円超5億円以下                         1事業者当たり60,000円

➃直近1期の売上(収入)高が5億円超10億円以下                         1事業者当たり80,000円

⑤直近1期の売上(収入)高が10億円超                              1事業者当たり100,000円

<支給対象者>

こちらの支援金の支給を受けるためには以下の要件の全てを満たす必要があります。

  1. 中小企業基本法に定める中小企業者であること
  2. 名古屋市内に事業所があること
    法人にあっては本店又は本社が名古屋市内である方
    個人事業主にあっては住民票に記載されている現住所が市内であり、かつ市内に事業所がある方
  3. 2期以上確定申告を行っている方
  4. 公序良俗に反する事業を営んでいない方
  5. 令和5年4月以降の任意の連続する3か月と1年前または2年前の同時期を比較し、売上高総利益率もしくは営業利益率が低下していること
  6. 価格転嫁ができていないこと
  7. 価格転嫁に向けた取り組みを実施し、今後も取り組みを進めること
  8. 市税を滞納していない

その他細かい要件に関しては下記の申請サイトをご覧ください。

中小企業価格転嫁促進支援金 (kakakutenka-nagoya.jp)

 

<中小企業基本法に定める中小企業者とは>

中小企業基本法における中小企業の定義は業種により異なっており下記のようになっております。

①製造業、建設業、運輸業、その他の業種                                                      資本金の額又は出資の総額  :3億円以下                            常時使用する従業員の数   :300人以下

➁卸売業                                          資本金の額又は出資の総額  :1億円以下                             常時使用する従業員の数           :100人以下

③サービス業                                                                                                                資本金の額又は出資の総額  :5,000万円以下                         常時使用する従業員の数   :100人以下

➃小売業                                          資本金の額又は出資の総額  :5,000万円以下                             常時使用する従業員の数   :50人以下

<申請期間>

令和5年11月16日(木曜日)から令和5年12月28日(木曜日)までとなっております。                   提出時の必要書類の漏れ等のトラブルが考えられますのでご希望の方はお早めの申請をよろしくお願いいたします。

 

 

 

医療費控除とは

今年も年末調整の時期が近づいてまいりました。

しかし中には確定申告を行い様々な控除制度を利用したいという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は数ある所得控除の中でも多くの人が利用している「医療費控除」について説明していきます。

医療費控除とは

1年間にかかった医療費が10万円、または総所得金額等が200万円未満(年収約290万円未満)の人は総所得金額等の5%を超えた場合に受けられる所得控除制度のひとつです。                                 また医療費控除を申告することによって、その分課税の対象となる所得が減ります。それが翌年の住民税の計算に自動的に反映され、住民税の負担が軽減されます。

対象となる医療費

① 医師または歯科医師による診療または治療の対価

➁ 治療または療養に必要な医薬品の購入の対価

③ 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価

④ あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価 (ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)

⑤ 保健師、看護師、准看護師または特に依頼した人による療養上の世話の対価

⑥ 助産師による分べんの介助の対価

⑦ 介護福祉士等による一定の喀痰吸引および経管栄養の対価

⑧ 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

⑨ 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術または分べんの介助を受けるために直接必要なもの

医療費控除を利用するうえでの注意点

・医療費控除により課税所得額が変わるためふるさと納税の控除限度額が変わる

・確定申告を行うためワンストップ特例制度を利用できない

・セルフメディケーション税制との併用はできない

ご相談・ご質問は名古屋にある税理士事務所・岩水会計事務所へお問い合わせください。

 

NISAとは?

いよいよ来年1月より新NISAがスタートします。

ではそもそもNISAとはどういったものだったのでしょうか、今回はNISAについてご紹介させていただきます。

NISAとは?

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。

現行NISAには、一般NISA・つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。

現行NISAの口座種別

一般NISA:株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。

つみたてNISA:一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。

ジュニアNISA:未成年が利用できる口座で株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。               ※ジュニアNISAについては、新規の口座開設が2023年までとされ、2024年以降は新規購入ができないこととされました。

上記の3種類が現行のNISA口座となっております。

 

ご相談・ご質問は名古屋にある税理士事務所・岩水会計事務所へお問い合わせください。