2024年度住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の変更点について 

今年もまもなく年末調整の時期になりました。すでに各種控除証明書を職場に提出された方も多いのではないでしょうか。令和6年度税制改正において、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)に変更が加わりましたので今回は住宅ローン控除の基本と変更点に関してご説明していきたいと思います。

 

〈住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは?〉

住宅借入金等特別控除とは、返済期間10年以上の住宅ローンがある場合に一定条件を満たすと、入居した年から最長で13年間、年末時点での住宅ローン残高の0.7%分を所得税・住民税から控除できる制度です。

 

〈住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けるための用件〉

住宅借入金等特別控除の用件は住宅の種類によって異なります。今回はおそらく購入される方が多いと思われる新築住宅の用件をご紹介いたします。

① 住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。

➁ この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること。

③ 住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を居住のために使用しており、この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。または住宅の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を居住のために使用しており、この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、1,000万円以下であること。

④ 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務があること。

⑤ 2つ以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。

⑥ 居住年およびその前2年の計3年間に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。

(1) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例

(2) 居住用財産の譲渡所得の特別控除

(3) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例

(4) 財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例

(5) 既存市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換  え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例

⑦ 居住年の翌年以後3年以内(令和2年3月31日以前の譲渡の場合は、居住年の翌年以後2年以内)に居住した住宅(住宅の敷地を含みます。)以外の一定の資産を譲渡し、当該譲渡について上記(1)~(5)に掲げる譲渡所得の課税の特例を受けていないこと。

⑧ 住宅の取得は、その取得時および取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと。

⑨ 贈与による住宅の取得でないこと。

 

 

〈令和6年度税制改正による変更点〉

住宅借入金等特別控除の主な改正点は下記の3つです。

① 省エネ基準を満たさない新築・買取再販住宅は控除対象外になる。

※2023年中に建築確認を受けている場合、または2024年6月30日までに工事が完了した場合は借入限度額2,000万円・控除期間10年間の住宅ローン控除が適用することができます。

➁ 新築・買取再販の借入限度額の引下げ

・長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円⇒4,500万円

・ZEH水準省エネ住宅    4,500万円⇒3,500万円

・省エネ基準適合住宅    4,000万円⇒3,000万円

・その他の住宅       3,000万円⇒   0円(上記①)

③ 子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額の縮小見送り

19歳未満の子どもがいる子育て世帯、夫婦のうちいずれかが40歳未満の若者夫婦世帯は省エネ基準を満たす新築・買取再販住宅であれば変更前の限度額にて住宅借入金等特別控除を受けることができます。

その他細かい変更点や要件等に関しては国税庁ホームページをご覧ください。

国税庁 ホームページ

(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/code/bunya-tochi-tatemono.htm