「ミニマムタックス」とは
近年、株式投資や不動産投資などによる「金融所得」に対する課税が注目されています。
その中でも、非常に所得が高い方に関係する制度が「ミニマムタックス」です。
日本の所得税は、基本的には所得が増えるほど税率が高くなる「累進課税」となっています。
一方、上場株式の売却益などについては、給与などとは分けて一定の税率で課税される「分離課税」が採用されています。
そのため、所得が非常に大きく、かつ株式の売却益などが多い方の場合、所得全体に対する実質的な所得税の負担率が低くなることがあります。
こうした超高所得者の税負担を一定水準以上にするために導入されたのが、いわゆるミニマムタックスです。
現行制度では、簡単に表すと、
(対象となる所得 − 3億3,000万円)× 22.5%
によって計算した金額と、通常の所得税額を比較します。
この計算による金額の方が大きければ、その差額について追加で所得税を負担する仕組みです。
つまり、「所得が3億3,000万円を超えたら、その部分に22.5%の税金が追加される」という制度ではありません。
あくまで通常の所得税額と比較して、税負担が一定水準を下回っている場合に調整する制度です。
今回特に注目したいのが、令和9年(2027年)分からの改正です。
添付資料では、次のように変更されることが示されています。
| 改正前 | 改正後 | |
|---|---|---|
| 特別控除額 | 3億3,000万円 | 1億6,500万円 |
| 税率 | 22.5% | 30% |
改正後は、
(対象となる所得 − 1億6,500万円)× 30%
が基準となります。
控除額が半分になるうえ、税率も22.5%から30%へ引き上げられるため、これまでより対象者が広がり、対象となる方の税負担も大きくなる可能性があります。
株式を売却して多額の利益が出る方、不動産などの資産売却で大きな所得が発生する方
については注意が必要です。
特にオーナー経営者の場合、会社の株式をM&Aで売却するなど、一時的に数億円規模の所得が発生するケースがあります。
このような場合には、通常の所得税だけではなく、ミニマムタックスの適用についても事前に確認しておく必要があります。


